人間が科学技術の進歩を追い求めるワケ
ロボット。
僕らにとてつもないロマンを与えてくれるその響き。
科学技術の進歩を象徴した存在だ。
実はこのロボットという語源は、1920年ごろに生まれたロボタという言葉からきているらしい。
その単語は実は奴隷を意味する言葉から派生したものらしい。
1950年には有名なアシモフのロボット三原則というものが定められている。
第一条 ロボットは人間に危害を加えてはならず、人間が危害を加えられるのを見過ごしてはならない。
第二条 ロボットは第一条に反しない限り、人間に服従しなければならない。
第三条 ロボットは第一条と第二条に反しない限り、自分の生命を守らなければならない。
そう、ロボットはもとも人間がやりたくないようなことを、人間の命により、ただひたすら従順に行うことが求められていたようだ。
そして人間の我儘に付き合って、ロボットはどんどん進化を遂げている。
この前、ロボットの今後の可能性を紹介したNHKの番組を見た。
今やロボットは僕らの社会、あるいは生活のいろんなところで存在感を見せている。
日本の工場の8割が自動化されているだけでなく、医療の現場、レストラン、あるいは乗り物の駆動装置すら、制御された機器という意味ではロボットだ。
そういう自動化された便利な社会の中で僕らは生きている。
そして最近は、「機械」として機能していたロボットが一皮むけようとしているらしい。
駆動装置としての能力はもちろんのこと、演算能力や記憶力はすでに備わっている。
ただ、人間の考える力、情報を取捨選択し判断する力というものには、まだまだ人間には及ばなかった。
でも、クラウド上に格納された世界中の膨大なデータがこのロボットに進化をもたらしてくれるかもしれないらしい。
「◯◯に行きたい」と告げて車に乗ると、あとは車がルートや渋滞状況などをクラウド上の生のデータから取得し、最適な方法で目的地に導いてくれる。人間はただ座ってるだけで。
近い将来、そういうことが実際に起こりうるらしい。
人間のような考える力はなくても、膨大なデータがあれば、解は導き出せるかもしれない。
そうやって考えると、例えば毎回の食事だって、これまでのご主人の思考パターンや好みを詳細に渡るまでデータ化し、最適なメニューを考えて、作り、提供してくれるかもしれない。
データを使えばその時の天気や予定、気分なども分析してとてもきめ細やかに選んでくれるかも。
もう人間は迷うことも汗をかく必要もない。
そう、人間はこれまで、自らの知恵で道具を編み出し、以前ならコントロール不可能だったことをコントロール可能にし、とことん自分たちにとって便利な社会を作り上げて行った。
暑いのが嫌ならクーラーを作る。動き回るのがしんどいから車も作る。挙げ句の果てに、食べ物に困らないよう、これはロボットではないけど、遺伝子を組換えたりして自分に都合の良い食べ物を作り出す。
そうやって人間はとことん怠惰で楽で快適な生活を望んでここまでやってきた。
人間がやりたくないことはすべてロボットにやってもらえる。
その行き着く先は寝たきりで思い通りのことができることかもしれない。
なんて素敵、もう考えなくていい、動かなくていい。
とことん従順で高度なロボットが、僕たちが快適に生きられるよう、全てをコントロールしてくれるのだ。
MATRIXの時代は近い?!