アラフォー父ちゃん

仕事、家庭、育児、人生、惑いまくりの名もなき団塊ジュニアのつぶやき

父親としてほんとは娘に伝えたくても言い出せないこと

「こないの。」

はるか昔、学生時代の頃、この言葉にひそかにおののいていた。

未婚男性ならきっと一度は聞いたことがあるであろう、彼女からのこの言葉。

返答こそ「そっか~」なんて平然を装うけど、心の中では「な、なにぃ~!?」とうろたえることこの上ない。

いつだ、いつのことだ?!
なんか失敗したっけ?
いや落ち着け俺、まだ何かの要因で遅れてるだけじゃないか、だって彼女少し前体調崩してたし。。とか安心材料を懸命に探したり。
でももし本当にできてたらどうしよう、、どうする~、おれ。。

てな感じで、のん気な学生生活に、攻撃力抜群の一言で、「責任」や「人生」を突如突きつけられる。

まあ、結果的に本当にできちゃったことはなくていつも取り越し苦労に終わったのでよかったけど、とにかくあの瞬間は、うろたえ、悩み、一番歯切れの悪い自分だったことを今でも思い出す。

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こんな思い出ばなしをふとしてみたくなったのは、先週のお寺さんのある言葉がずっと心に残っていたからだ。

「生まれる前からお腹の中で生きてるから、生まれた瞬間は1歳。だからおばあちゃんは数えで享年100歳になる。」

人の親として、子供の誕生を経験してしまえば、妊娠後期にお腹の中の赤ちゃんが動く様子を感じて親二人して喜んだりもしてたから、今となっては自然に理解できる部分もあるけど、なるほど言われてみればそういうことだ。

調べると、妊娠4週目には心臓が脈を打ち始めるらしい。
そこからすでに命は始まっているんだ。

もともと妊娠することそのものは、そう簡単ではなく、とても尊い奇跡的な出来事でもある。

それだけに望まずしてできてしまい、そしてその命を心ならずも絶つ、ということを選択せざるを得なくなったとしたら、その業の深さを改めて感じざるを得ない。

娘も中学生になった。
まだ初恋もほど遠いような顔をしているけど、
最近は親と同じ小説をかなり読んでいて、そこには恋愛や妊娠はもとより、不倫とかもあるので、もしかすると変な知識だけは得てるのかもしれない。

そしてそう遠くない将来、誰かを好きになって付き合い出すかもわからない。

それどころか、徐々に娘がどういう気持ちで何を考えているのかがわかりにくくなってるので、父親はずっと知らぬままかもしれない。

それでもいい。とにかく、娘には、そして娘の周りの人たちには、望まない業を感じることなく過ごしてほしい、というのが父親の切なる願いだ。

と父親から面と向かって言われると、気味悪がられるだけだから、避妊のことはお母さんに託そう。

あぁ、お父さんの願いや思いはますます娘に伝わりにくくなる。
まあそれも親子の一時代か。