アラフォー父ちゃん

仕事、家庭、育児、人生、惑いまくりの名もなき団塊ジュニアのつぶやき

結婚のコスパを計算してみた。

結婚は「コスパ」が悪いらしい。

先日、そんな価値観を持つ若者が少なくない、という記事を見た。

確かに、昔は「就職して結婚して子供を持って、マイカーやマイホームを持って」というのが今で言う勝ち組、いやそれ以前にみんなが歩みたいと思う、社会の一般的なレールだった。

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でもそれは昭和の出来事、僕らの親世代の「当たり前」だった。

バブルも知らない、終身雇用もはるか昔の出来事に感じる時代に大人になった今の人たちが、そんな一昔前の「当たり前」を「生き方の選択肢の一つ」としか思わない、というのも無理もない。

そもそも結婚をコスパで考えること自体、若干の違和感が拭えないあたり、僕自身もまだ一昔前の考えに近い人なんだろう。

だけど、だからこそ本当にコスパが悪いのか、あえて考えてみることにした。

1.僕らはそもそもどれだけの原資があるのか

現代の大人の生涯賃金は、税金や社会保険料を抜いて、平均で2億4,000万円らしい。

ざっくり大人になってから死ぬまでの60年をこのお金で過ごすことになる。(年金や投資のリターンなどは考慮しない)

でも結婚のコスパを考える場合、まず結婚に伴う費用とそれ以外を分けないといけない。

そのうち「住」は、賃貸でも保有でもどこか雨露をしのげる必要があるので、月10万円とすると年間120万円、60年で7,200万円がかかる。

また「衣食」、つまり普通の生活費も必ず必要だ。趣味や娯楽、ファッションなどを除いた純粋な生活費も、10万円はかかるだろう。
となるとこれまた生涯で7,200万円。

ここまでは単純に必要な経費なので、これを差し引くと、残り僕たちが生涯にわたって使えるお金は約1億円ということになる。

60年間で割ると、年間160万円あまり、月額13万円。

ここからが本題、月13万円をどう使うかだ。

このお金にはファッション、旅行、趣味、外食、車代など、それが無くても死なない出費が含まれる。

そして結婚した場合の費用も。

2.結婚のコスト

実際結婚すると何の費用が増えるんだろう。

仮にうちの場合のように、専業主婦だと収入ゼロに対し、生活費分は増えるので、コスト増と言えるかもしれない。

だとしても単純に倍になるわけでもない、感覚的にはせいぜい月3万円ぐらいだろうか。

しかも、今や共働きが普通の時代、結婚そのものが、「=コスト高」というわけでもない。

とすると結婚を求めない人たちがコストとして考えるのは、愛する人と一緒に人生を歩むことに対する代償、不自由さや忍耐、といった定性的、あるいは時間的な事なんだろうか。

3.結婚に伴うオプションのコスト

もうひとつ、人生の大きな選択肢になるのが、子供を持つということ。

これは確かに金銭的には大きい。
子供一人当たり2,000万円はかかるという今の時代、2人を持とうとすると4,000万円だ。

生涯にわたってそのコストを払うわけではないけど、単純化のため、60年間でそのコストを負担するとすると、月間5.5万円の負担になる。

13万円のうち5.5万円だから実に4割強を子育てに費やすことになる。

でも今や子供すら選択の時代、望まなければ産まないという選択肢が自然に許される時代だ。

しかも冷静に考えれば、5.5万円を費やしてもまだ7.5万円はある。専業主婦を養うため、仮にさらに3万円費やしたとしても、4.5万円ある。

毎月4.5万円のお金は、何もできないほど微々たるものだろうか。

4.コストは重荷か

この記事を書くにあたって、世の中の人たちはどう考えてるんだろう、といろいろ検索していると、とても素敵な言葉を見つけた。

人は「自分の荷物の重さ」によって苦しむのではなく、「なんでこの私が」と、その荷物を背負わなければならないという「現実」を肯定できないから苦しむのです。

今の日本では、いろんな考えや価値観があり、いろんな楽しみ方が許されている。

だから趣味も娯楽も恋愛も結婚も、そして子育ても、同じ尺度でコスパを考える人がいてもいい。

でも言いたい。
5.5万円を費やして得られる喜びと13万円を自由に使って得られる喜びは、そもそも比較できるんだろうか。

5.人生はあなたの選択次第

結局は、得られる資源で自分の幸せな人生を実現するため、何を選択するかなんだろう。

そして、自分が「選択」してる、という自覚と覚悟がある限り、それが「重荷」と思うことはない。

もし人生に結婚や家族が必要か、と悩んでる人がいたら、僕は「この選択に微塵の後悔もない」と声を大にして言いたい。