10日で辞めて公務員になれたら楽か?そう思うならなってみたらいいよ
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お世辞にも模範的な就活生とは言えなかった。
甘い考えで、物見遊山気分で企業を見てて、いつの間にか自分がふるい落とされていたことに気づき、あわててなんとか銀行に滑り込んだ。
入社してからはそれなりに頑張ってきたけど、いつも「自分はここにいるべきか」と自問自答してきた。
結局東京の本店に転勤になって約一年、社会人になってから4年弱で転職の道を選んだ。
そしてそれから約15年、今も転職先の、「ほぼ公務員」として働いてる。
公務員は楽か?
きっと公務員になったことがない人には永遠に理解されないかも。
僕なりの答えを言う前に、そもそも仕事で「楽する」とは何かを考えたい。
楽な仕事ってなんだろう。
あんまり拘束される時間がなくて、やりたいことやって、変なプレッシャーとか上司とかからの理不尽な指示とかもなくて、それでいて満足のいく報酬がもらえる、とか?
もし、そう考えるならきっとそれは永遠に手に入らない。
客観的に見れば、あるいはきつい職場から見ればそれに近い環境のように見える職場もあるかもしれないけど、そういうのを望んでいる人に限って、絶対にそんな恵まれた仕事は訪れない。
誰かいい人いないかなあ、と遠い目をして夢見る独身の人みたいなもん。
目の前の人が理想の人と思い込めとまでは言わないけど、せめていいところ、好きなところを探せるようにならないと絶対無理。
ちなみに公務員は楽か?
自信を持ってNOと言える。
転職する時、妻への売り文句として、「転職したら給料は下がるけど、今よりゆとりのある時間の過ごし方ができるよ」ということだった。
申し訳ないけど完全に詐欺になってしまった。
いや、半分当たりかな。前半の「給料下がる」というところは。
日本の公務員、いわゆる日本的会社。
今でこそ「上司が帰るまで帰れない」みたいな非合理はないけど、仕事はいくらでもある。
みんな馬鹿じゃないから効率的に生産性を上げようと頑張るけど、なかなか理想的にはいかない。
シビアなノルマはないけど、がんばっても評価は変わらないし、報酬には反映してくれない。
だったらみんなサボるんじゃないの?と思うけど、そうならないところが日本人らしい。
いや、世界中に公務員がいて理想的な生産性ではないにせよ、それなりに機能してるから、どこの国でもサボる人は一部なのかも。
そして、ノルマや利益という明確な評価軸がない分、どこを目指すのかがどうしてもぶれるし、特に今の職場なんかは政治色も出たりして、また別の意味でのプレッシャーがあったりする。
結局組織に勤める限り、楽なところがあるはずがない。
いや、起業した人たちを見ても、みな寝る間を惜しんで仕事していて、そらは僕らみたいな組織人には到底真似できない全力さで尊敬に値する。
別に辞めるのは10日でも1年でもなんでもいい。
確かに今の時代、10年粘るのは長いかもしれない。
でも辞めるからには、それがどんなに短くても、次のキャリアを決める時にその決断を自分の売りにできるぐらいの覚悟と納得感を持ってやめてほしい。
自分も転職した身だから、転職の良さもすごくわかる。
でも、転職することはそう簡単じゃないし、歳を重ね、転職を繰り返すほど、自分がどう貢献できるかが問われるよ。
大人になったら、「会社が自分の人生に何をもたらしてくれるのか」を先に考えるのはやめた方がいいよ。