60兆個の細胞を味方につけて、僕らの人生をもっと幸せにしたい
三回シリーズでやってたNHKスペシャル 「人体ミクロの冒険」は、とても見ごたえがあって、感動すら覚えた。
というか改めて人間の本来の役割について考えさせられた。
そういえば昔親と何気なく見てた「地球大紀行」、今でもテーマソングと壮大な地球の映像が思い出されるくらいだから、そういう知的好奇心をくすぐる番組というのはどこか印象に残るものなんだろう。
そして今回、誕生から大人への成長、そして老いと死に至るまで、三回シリーズで、最新の研究結果をもとにヒトの細胞の働きを教えてくれた。
1.気が遠くなるほどの数の細胞たちの働き
実に60兆個という気の遠くなる数の細胞が、「自分」という、一人の人間を形成してくれている。
そして僕らの意識していない部分で、僕らの成長や健康を司ってくれている。
60兆個!!
今地球上の人間が70億人、その高度な生物である人間たちですら、いがみ合ったり争ったり時には殺しあったりと、とてもじゃないけど、調和して生きられてない。
でも実にその一万倍の数の細胞たちが、人知れずぼくら一人一人の人間の人生のため、それぞれの役割を果たしながら全体として見事に調和され機能してる。
心臓も血液も頭脳も筋肉も、そして感情も健康も老いもすべて細胞たちの働き。
それが80年もの間、毎日1兆個のペースで生まれ変わりながら働き続け、自分たちの役割を果たして行く、まるでそれぞれが自分たちの意思を持っているかのように。
2.人間が生まれてくる意味は細胞が知っている
特に衝撃だったのは第二回で紹介されていたドミニカ共和国のある村での例。
その村では、特殊な環境もあってか、思春期に性別が変わる人たちは珍しくないらしい。
単におネエになるとか精神的なものではなく、思春期に活動し始める大人の男性と女性へと成長させるホルモンの成せるわざで、肉体的に変化が生まれるらしい。
僕らが当然のように通る思春期の道。
細胞レベルではそれこそ劇的な大変換が行われ、60兆個がいっせいに男性や女性、つまり子孫を残すための機能に変革していくらしい。
思春期は、みんな不安定になったり、コンプレックスを感じたり、何のために生きてるのかを考えてみたりするけれど、細胞は淡々とでも大胆に人間が生殖機能を持ち子孫を残せるように生まれ変わらせてくれている。
3.細胞と僕らは共に生きられる
僕たちが子孫を残す上で大きな働きを見せてくれるホルモンがある。
それは「オキシトシン」というもので、人間らしく幸せな人生を送らせてくれる源になるホルモン。
いわゆる「愛情ホルモン」と呼ばれているもので、それがストレスにもいいことは前の記事「これまでストレスに感じてたことが、突然幸せなことに見えてくる驚きの事実 - アラフォー父ちゃん」で紹介した。
おもしろい実験を科学者はやっている。
自分の命の全てをインストラクターに委ねてスカイダイビングする時、恋人とキスした時、そして初対面の人たちがダンスなど触れ合う機会を持った時、その時にオキシトシンがどのように分泌されるのかを調べていた。
すると驚き、というか期待通り?!に上のどのシチュエーションでも、オキシトシンの分泌が活性化されるらしい。
やっぱり僕らは、他人と直接会う、見つめ合う、触れ合う、そういう機会が増えれば増えるほど、他人に対する思いやりや愛着、愛情が生まれるような仕組みになっているらしい。
4.日本の未来は明るいか
以前、ベトナムの同僚が日本に短期間滞在した時、一日誰とも話す機会がなく過ぎたことに衝撃を受けたと話をしてくれた。
確かに日本は安全、何か欲しければコンビニでもどこでもすぐに手に入る。1人でいても何も退屈に思わなくて済むだけの娯楽もある。テクノロジーも発達して、つながりたければいつでもインターネットやSNSで気楽につながれる。ますます「お一人様」に快適な世の中になってる。
でもそれでいいんだろうか。
どんどん他人と触れ合う機会を減らしてないか?
確かに他人と接することは楽しいことばかりではないし、ストレスも感じる。
でも今回のNHKスペシャルで、僕ら人間を形成してる細胞たちの仕組みや本来の機能を知るにつれ、やっぱり僕らは細胞レベルでは、他人との触れ合いを欲してると強く思わされた。
少々面倒でも辛くても、他人と触れ合うことで僕らの中ではしっかりオキシトシンを発生させてくれていて、それが僕らの思いやりの心、愛着、そして幸せな感情に結びつけてくれる。
便利な世の中だからこそ、人間にしかできない、人間同士で触れ合うこと、それを大切にしたいもんだ。
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