人口1億人維持がなんでそんなに大事なのかわからないので、自分目線で考えてみた。
今や子供の数より犬猫のペットの数の方が多い日本。
少子高齢化、婚活、妊活、待機児童、受験、就活、介護、、
メディアを賑わす言葉も、どんどん子供が減って行きそうな言葉ばかりが並ぶ。
そんな中、政府は初めて日本の長期的な人口目標を掲げた。
「50年後に人口1億人を維持する。」
50年後はもう死んでる。
しかも今1億2,700万人いるこの日本。
この目標がどれだけ大事なのか、それが高いのか低いのかもピンとこない。
でももし今のペースで社会が進んで行けば、50年後人口は8,700万人まで減るとか。
3分の2になると言われれば、確かにインパクトあるのかなとも思う。
ただそれでも本当の危機が何かわかりにくいので考えてみた。
もともと個人的には、やっぱり種の保存は本能だし、環境が許すなら、子供を生み育てられることは、人生の最大の喜びの一つであると思ってる。
でも今回はそのミクロな話ではなくて日本社会がどうなるのかを考えてみる。
1.そんなに人口維持は大変なの?
政府目標を達成するには2030年までに出生率を2.07までに引き上げる必要があるらしい。
この2.07という数字、人口が減らないボーターラインとのこと。
これまでは寿命が延びて、今も元気な老人たちがどんどん生み出されている。でもいつかは飽和し、生まれてくる子供たちそのものが少なければ、人口は下降線を辿る。というよりすでに日本はそのトレンドに入ってる。
一方今日本の出生率はというと、だいたい1.4。
この差0.6をどう見るか。
単純計算すれば、2人に1人が、今よりもう一人子供を産めばいい。
でも今や生涯未婚率も初婚年齢も絶賛上昇中。
保育園や教育費を考えるまでもなく、すでに子供ができにくいトレンドに僕たちはいる。
そしてこの2.07というハードル、必ずしも女性全員が結婚してまた子供を産むわけではないことを考えると、子供を産むお母さんが3人を生み育てるぐらいの勢いでないと達成できないくらいになる。
そう考えるとこの数字がどれだけ大変かがわかってくる。
2.そんなこと言うけどそもそも人口減の何が悪いの?
じゃあ、目指さなければいいじゃない?とも確かに思う。
人口が減ったら、人口密度下がるよ。
土地の値段も下がるよ。
カナダでもオーストラリアでも、人口が少なくても立派な先進国はあるよ。
何が問題なんだろうと。
確かに労働人口が減ることが問題と言われてる。
でもその一方で元気な老人は働き続け、あぶれた働けない若者がいることも問題視されてる。女性の進出も言われてる。
なんか帳尻合いそう。
でも本当に考えないといけないこと、それは国の借金が尋常じゃないという事実。
今日本は老若男女に関わらず、1人あたり800万円を超える借金がある。
その借金で僕らは何を得てるのか。
最近お隣中国をはじめ、また日本への観光客が増えてきた。
彼らが口々に絶賛するのは、もちろん僕ら日本人のマナーや規律でもあるけど、あまりにも快適なインフラ環境。道路など目に見えるものだけではない、消防から警察から、僕らが安心安全に暮らせる高度なサービスが、そのお金で支えられてる。
でもそのお金がどこから来るかというと税金。
そんなこと学校で習ってるから当たり前?
そのとおり。
でも、まかなえてないことが問題。
この快適な生活を維持するインフラやサービスは、半分以上が将来につけ回しまくってる借金。
そして税金は何から生まれるか、僕らが稼いだ所得税や生活上の買い物で使った消費税、その他ガソリンやお酒など普段の生活に関係する税も入れると実に7割近くが僕らの毎日の営みから生まれてる。
つまり逆に言えば、その営みが減れば集まる税金も減る。
人が減って、やることが減って、買えるものが減って、しているうちに、税金はどんどん減っていく。
要は僕らは将来破綻する。もし、今の素敵な先進国の生活に固執するなら。
別に僕ら世代が良ければいい?
いやいやきっとそんなに甘くないかも。
年老いる頃には、いやそう遠くない未来に残念な経済・社会になってるかもよ。
3.税金納めてくれる人が増えればいいんじゃない?
それは当たり。
アメリカのように世界中から移民を受け入れ、常に活気ある社会になればいい。
でもこれもそんなに楽な未来ではない。
アジアに住んで強く感じるのは、彼らの貪欲さと優秀さ。
僕らよりもよっぽど勉強熱心、仕事熱心な人、そして何よりも安い人たちがやってくる。
超強力ライバルが出現する。
僕自身は決して移民反対ではないけど、世界でも稀なほどほぼ単一民族国家で長らくやってきた日本が、すぐに多様な人種を受け入れ、そしてライバルとして厳しくも切磋琢磨する、とは正直思いにくい。
きっと今よりストレスかかるよ。
4.まとめ
結局、どの道今よりタフな未来が待ってる。
過去、そして僕らが選択して積み上げてきた、莫大な借金が厳然たる事実として立ちはだかる。
このままずっと続くと思うなよと。
どうせタフなら、どうせ今のままでいられないなら、どういう変化を選ぶか、今から考えられた人が幸せをつかむのかも。