愚かな人間たちはなぜ歴史から学ばないのか。
2014年3月18日、ロシアがクリミアを編入。
昔世界史を習ってた時、日韓併合、というのがあった。
国が吸収されるというのはそれぐらいのインパクトなんだろう。
また歴史に新たな1ページが加わった。
でも今回は国際政治が揺れ動いてる。
確かにロシアの軍事力に身を任せた強引な併合と言われればそうなんだろう。
国際法上おかしいと言われればこれまたそうなんだろう。
まあでも個人的にはどっちでもいい。
どっちでもいいといったら、これにより人生を左右される人々が出てくるので少し失礼な言い方かもしれない。
でもやっぱり人間の所業として見たら、「ああまたやっちまったな」というなんかあきらめみたいなものを感じる。
高校時代世界史をとっていた。
正直エジプト時代とかイスラム時代とか大昔のことはどうもぴんとこなかったので、いつも先生の話はそこそこに「図説世界史」を眺めていた。
これがけっこう楽しい。
時代ごとに領土が入れ替わる様子が見て取れる。世界の端々じゃなくて世界全体がその領土マップでよくつかめる。
「へー、日本で関ヶ原の戦いがあったころ、英国は東インド会社を設立したのか」とか、そういうたまたま同時期に起こっている出来事を見ながら、空想するのが楽しかった。
そして現代、そういった醍醐味をITで表してくれる。
なんとも便利な世の中になったもんだ。
ふたつほど面白い動画を見つけたので紹介しておきたい。
「Watch as 1000 years of European borders change」
http://loiter.co/v/watch-as-1000years-of-european-boarders-change/
↑
1000年に及ぶ欧州での国境線の変遷が見て取れる。
これがアジアまで広がってたらもっとダイナミックだっただろうなあ。
今話題のクリミアが誰の領土だったかもわかっておもしろい。
それにしてもこのめまぐるしい欧州の変遷を見てると、ずーーっと「日本」だった僕らって歴史的にも稀有な存在なんだろうな。
World Battleground, 1000 years of war in 5 minutes ...
↑
これもおもしろい。
1000年の世界での戦争の歴史が年をおって地図上で示されてる。
不思議なのは戦争が欧州と日本ばかり。
本当はモンゴル時代はじめ中国地方やその他地方でも各種戦争はあっただろうに少し偏りがあるのが残念。
でも、「あっこのころはナポレオン」とか楽しめるし、なんといっても世界大戦のすさまじさを目の当たりにできる。
それにしてもこの二つの動画を見てると、ほんと人間って陣取り合戦や戦争が好きね。
もう本能としかいいようがない。
さすがに第二次世界大戦で世界中が疲弊したので、その後第三次はかろうじて食い止めてるけど、局所局所では同じような構図で小競り合いが頻発してる。
今回もすごく感じるけど、結局こういう小競り合いや戦いが起きる時って「政治」なのよね。
そしてこの戦争の歴史って、実は教育にもすごくからんでる。
知り合いのミッション系スクール出身の子は、世界史と言えばほとんどが十字軍の歴史だったとか。
まあ、それは偏りすぎとしてもやっぱりバイアスはかかるもの。
逆に日本の場合、近代・現代はバイアスがかかりすぎる、あるいは周囲の雑音が大きすぎるのはあえて遠ざけてるのか。
昔から不思議だったけど、なぜ日本では毎回どの世代も大昔の歴史は一生懸命教えるのに現代史は駆け足でろくに教えられもせずに終わるのか。
僕らの生活に実は直結する大事な知識なのに。
特に海外相手に仕事する時、やっぱり各国・各地域の近現代史が色濃くその国々の背景や文化、考え方に残っていて「もっと知っておけば良かった」と強く思う。
まあでも今日のクリミア編入、あるいは政治の歴史を考えると、あまりに最近すぎる(といってもここ100年ぐらい)歴史は、どこの国にとってもまだ熱いネタで触りづらいのかもしれない。
で、結局人間は繰り返す。いや、政治家は繰り返す、というのか。
何を守ろうとしてるのかはよくわからないけど、意固地になってもしょうがないのになあ。
一番大事なのはその騒動に巻き込まれる名もなきか弱い国民たち。
早くおさまってほしい。