アラフォー父ちゃん

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とりあえず産んどく?といえる社会に

今日面白い記事があった。

それは結婚に対する価値観の先進国間での違いを調べた調査。

若者の「結婚した方がいい」の価値観、諸外国の違いを探る(不破雷蔵) - 個人 - Yahoo!ニュース

 

1.日韓は結婚に肯定的

日韓と欧米主要国を比べたその調査では、「結婚した方がいい」かどうかという意識を聞いたところ、日韓では、「結婚すべき」「結婚した方がいい」というポジティブな意見が3分の2程度を占める一方、ドイツやフランスでは約半数が「結婚しなくてもいい」との結果に。

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スウェーデンに至っては、3分の2が結婚に否定的な意見だったそうだ。

 

さすがに「結婚しない方がいい」といった強い否定派は少数だけど、結婚に対する憧れや必要性そのものに大きな違いがあるように見える。

 

そしてさらに面白いのが、「結婚する理由」。

 

 

2.日本ではまだまだ結婚というステータスを得てから子供

大事な人とそばにいられるという愛情や安らぎが理由に挙げられること自体は各国にそれほど差はなかったけど、日韓と欧米との間で最も差異が顕著だったのがこれ。

 

「自分の子供や家族を持てる。」
「親を安心させる・周囲の期待に応える。」

 

後者は必ずしも理由の上位ではないけど、どちらも日本人が理由にあげた率が高く次いで韓国が高かったものだ。

 

やっぱり日本ではまだまだ「結婚する」ことそのものが社会的に求められ、そして何となくステータスであることが見て取れる。

そしてもう一つ、家族や子供を持つには、まず結婚が必要ということも。

 

でもそれってやっぱりますます子供を産みにくいということよねえ。

 

この前、政府が人口1億人を維持する目標を立てたということで、それがどれだけ難しいかということをブログに書いた「人口1億人維持がなんでそんなに大事なのかわからないので、自分目線で考えてみた。 - アラフォー父ちゃん」。

きっとこんな状況だと、目標達成は到底できないだろう。

 

本当にやる気なら、それこそ今の日本社会を変えてやる、ぐらいの意気込みで変えていかないと無理だろう。

 

3.欧米では日本より出生率が高いところも

でははたして出生率はみな一様に低いのか。

 

気になって別のデータを調べてみたら面白い事実が出てきた。

もちろんドイツなど日本と出生率が変わらない国もあるけど、むしろ少数派。

 

英米やフランス、スウェーデンでは軒並み2.0前後をマークしてる。日本は1.4以下で喘いでいるというのに。(ちなみに人口維持に必要な出生率は2.07)

 

さらに面白いのは、結婚に必ずしも肯定的でないフランスやスウェーデンですら、日本をはるかに上回るのだ。

 

4.とりあえず産んどけ、ができる国

事実、フランスやスウェーデンでは、婚外子(非嫡出子)の割合が非常に高い。

日本ではまだまだ非嫡出子は幅広く認知されているとは到底言えず、2008年でもわずか2%程度。約30年前と比べてもわずか1%しか増えていない。

 

かたやフランスやスウェーデン、実に半数以上が非嫡出子らしい!

 

この差は何?!

30年前でもスウェーデンでは非嫡出子が4割だったので、これはもう社会がそう出来上がってると言えるけど、フランスは違う。

 

当時から日本より高いとはいえ、30年前は11%だった。
それが今や5倍近くになってるんだからこの30年でそれだけ社会が変わったということなんだろう。

 

もともと欧米ではカトリックの影響で離婚が難しく、結婚そのものもそれなりに敷居が高いにも関わらず。

今や出生率を復活させた国として、多くの先進国から注目を浴びるフランスも、50年前は非嫡出子が6%と低かったそうだ。

 

でも徐々に社会構造が変わりつつある中、99年に「パクス法」といって事実婚や同性愛のカップルにも結婚している人と同等の税控除や社会保障を得られるようにしたことが大きな後押しとなったそうだ。

 

そしてもうひとつ大事なこと、それは子供ができちゃっても何とかなる社会になったこと。

 

フランスでは3歳から公立保育園に入れられる、子供の数に応じて税の優遇が得られるなど出産や育児に対する行政支援が手厚さがハンパないらしい。

もちろん行政だけでなく、民間や個人レベルのシッターなどもあって、社会全体で子育てしやすい環境になってることも大きいんだろうけど、そういったことが積み重なって、「とりあえず産んどく?」みたいなことができるんだろう。

 

5.もっと気楽に子供を産める社会へ
週末のブログでも書いたけど「昔の人たちが思い描いた未来の日本の姿が秀逸 - アラフォー父ちゃん」、日本の50年後は65歳以上が人口の4割になるらしい。

 

これって想像するとものすごいことだ。
電車に乗っても、買い物に行っても、半数近くが大人、いや、おじさんおばさんどころか、おじいちゃんおばあちゃんになるという世界。

 

もちろんそれを望むのならいいけど、それがベストな未来なのかは自信がない。というか正直違和感がある。

といってもその頃は自分が老人だから違和感を持たれる方かもしれないけど。

 

もちろんアメリカみたいに移民を受け入れ、いよいよ真の国際化を進めるということもあるだろう。

 

ただそれでも、日本人は年寄りで若い子は外国人ばかり、ということになると、日本の伝統や文化はどうなるんだろうという心配すら浮かぶ。

 

別に閉鎖的なことを言うつもりはないけど、やっぱり自分がおじいちゃんになった頃、日本人の子供達の楽しそうな声がたくさん聞こえる国であってほしいとどこか心の中では思ってる。

 

前の政権のキャッチフレーズで、「コンクリートから人へ」というのがあったけど、あながち間違いではない。

 

老朽化した既存インフラの更新は大事。
でもこれから年老いて行く日本でこれ以上のハイスペックなインフラはいらないかも。

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人、特に子供や若い子達への投資を厚くする政策になるといいなあ。
その方が将来的なものも含め、経済的波及効果は大きいと思うんだけどなあ。

 

社会を変えてやるぐらいの本気モードで、「とりあえず産んどけ」という選択肢を普通に選べる社会になるといいんだけど。

 

僕らの子供が大人になる頃にはそんな価値観が主流になるんだろうか。
そのためには親世代の僕らの意識変革も必要だけど。

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