アラフォー父ちゃん

仕事、家庭、育児、人生、惑いまくりの名もなき団塊ジュニアのつぶやき

配偶者控除見直しで専業主婦がもっと進んで働きにでると思ったら、大間違い。

今日の日経で、経済財政諮問会議産業競争力会議の議論を受けて、安倍首相が配偶者控除見直しを指示したとあった。

 

これ自体はずいぶん前から言われてる事だし、真っ向から反対するつもりはない。

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でも、その目的が女性の就労拡大というのがどうも腑に落ちない。

 

なんでも主婦の収入によって配偶者控除が変わってくるので、どうしても抑制気味に働くからということ。
もちろんそういうことを気にする人が少なくないのも事実。

 

また、労働力人口の減少を食い止めるために主婦の労働参加を促すと言うこと自体も大賛成。

 

でもやっぱり、だからといって配偶者控除見直しはないんじゃないかなあ。
だって全然インセンティブと思えない。

 

まず第一に配偶者控除がなくなることで直接的に採用が増えるわけではない。
非正規社員がいる、というのは企業にとっても安価で流動的な労働力を確保するというメリットがあってやってること、結局需給次第。

 

うちも妻は専業主婦。
でも妻に「配偶者控除なくなるから存分に働いて」と言う気は全くしない。

 

だってそれとは別の次元、理由で専業主婦やってるから。

 

毎日妻は家事と育児でヘトヘト。
最近忙しいので会社から遅く帰ってると、だいたい疲れ果てて家事の途中でくたばって寝てしまっている。

 

特に2歳児を相手にするのは、持ってみないとわからないけど、本当に重労働。
とにかく自分のペースで物事が進まない、片付けした横から散らかっていく。
落ち着いて家事をしようとしても何かと泣いてわめいてじゃまする。

 

そんな毎日をなんとか一生懸命過ごしてるけど、誰かから評価されるようなわかりやすい仕事じゃないし、給料をもらうわけでもなく報酬はない。そしてエンドレス。
そんな毎日を過ごす妻はどこか社会から疎外された役立たずではないかという思いをずっと抱えてる。

 

だから本当は働きたい。
働けるなら。

 

もちろん今は幸い旦那の給料だけでなんとか養っていける。
だからといって決して裕福ではなく、一人暮らしや共働きに比べると相当予算制約はきつい。
いろいろ我慢しながらやってるのが実情。

 

でも専業主婦にとって働きに出るというのは結構高いハードルなのよ。特に小さいお子さんを抱えてる人は。

もともと正社員の人が結婚して子供を産んで、それでも働き続けるというのはやりやすい。
会社の制度を使えばいいから。

 

でも、会社を辞めちゃった主婦がいきなり正社員につくというのはそうあるもんではない。
だから最初はパートになりやすい。

パートの給料で頑張って働く。小さい子どもたちを置いて、保育所に預けたりして、結局高い金を払って手元にはほとんど残らない。
そして働いて帰ってきたら子供も一緒に戻ってくる。家事は全くできてない。

 

そんなの全然割に合わない。
なんのために働いてるのか全くインセンティブがわかない。

 

そもそも労働力人口の減少を招いているのは少子高齢化でしょう。

さすがに移民を受け入れると、とたんに全体の給料が下がって、日本国民総ジリ貧になりかねないから、主婦の労働力を、というのはわかる。


でもその主婦たち(あるいは未来の主婦たち)は、日本の少子高齢化対策の重要な人たちでもあるのよ。

彼女たちが子供を産まないとますますジリ貧よ。


独身の人だってお子さんのいない家族だって無関係ではいられない。
僕らの年金、税金、国庫財政、いろんなものは将来の世代にかかってる。

 

だからこそ、子供を産むことが高コスト、高リスクになってるような今の制度は変える必要がある。
本当に子育てをしながら女性が働けるような意味のある政策で。

 

もっと低コストで安全に子供を預けられる社会にならないと。

 

かたやシッターの事件が世間を賑わせていて本当に心が痛む。
でも、そういう低コストのサービスに確実にニーズがあるからこその事件でもある。

 

かわいそうなその子の命を無駄にしないためにも、どうやったら僕らの社会がもっと子供を産みやすいものになるのか、僕ら自身が考えて声を上げないといけない。

 

まずは安く安全に子供たちを預けられる仕組みやサービスを。