東京をぼくらの街に本当にできると思う? 都知事選を考える。
今回の都知事選は新しい。
これまでも若くて弱者の立場に立った候補者は出てきた。
でも今回一番違うのはそんな候補者がこれまでの選挙戦の伝統芸能には全く迎合せず、まさに現代っ子らしいインターネットやSNSをフル活用した選挙戦をしようとしてること。
家入さんの挑戦、手法、問題意識はすばらしい。
「ぶっちゃけ落ちると思うけど、どうして出馬したんですか?」:都知事選候補・家入かずま氏をインタビュー : イケハヤ書店
そして選挙のやり方が革命的なだけでなく、政策の作り方も画期的。
政治家まかせでなくみんなで作りましょうというスタンスも、これまでの政治家の中途半端なそぶりではなく、むしろそれしかないぐらいの思い切りぶり。
もしかしたら面白いことになるかもしれない。
でもなんだろう、この腑に落ちない感。
ある人は雇用を生めという、違う人は高齢化に対応した社会をという。
またある人はもっと防災を、別の人は女性がもっと働きやすい社会に、少子化対策、弱者対策、税金下げろ、、きりがない。
人の人生はいろいろ、心配や不満も立場、年齢で全く違う。
1,000万人を超える人がいるよ。
あっちを立てればこっちが立たない。
トレードオフだらけ。
本当にみんな僕らで街を作れると思ってるんだろうか。
もともと公的な行政って、成り立ちは自治体のようなもの。
おらが村で、みんなで田んぼにどうやって水を引こうとか、ゴミはどうやって処理しようとか、火事や病人が出たらどうしようかとか、みんなの道をどうやって作ろうとか、そういうみんなの課題をともに話し合って決めてきた。
その意味では参加型は昔からあるもの。
ただこれら村の決め事をする時、往々にして利害がぶつかるもの。
だから村の名士が長になってこの人が決めるなら、といった存在になったり、利害調整を話し合う代表が生まれたり、そして実行部隊が生まれ、分業化される。
そして村人は彼らに自分たちの希望を委ね、村は回っていき、村人は自分たちの生活を好きなように送ることができる。
僕らは家入さんを選ぶことは簡単にできる。
投票用紙に書けばいい。
でも家入さんの政策は、そこからが大変。
彼を斬新な都知事として救世主のように祭り上げるとしても、その後の都政を彼に任せるのなら結局これまでと一緒。
彼の主張は、みんな本気で都政に貢献する気あるの?ということ。
みんなそれぞれの生活あって忙しいよ。都政って自分の希望や我儘を言えばいいってものじゃないよ。それだとこれまでと変わらないよ。
利害ぶつかるよ。それでも粘り強く納得解を導く努力をしないといけないよ。
どこまで首突っ込みたい?
政治や行政って結局どこまで信頼して、あるいは割切ってまかせるか、それかそれが嫌ならどこまで責任を持って関わるか、自分の社会との関わり方や距離感の問題だと思う。
そんな社会人としてのあり方を考えさせてくれる家入さんは、やっぱりすばらしい。
みんなで投票に行こう。