センスゼロ、不器用な男でも女性を喜ばせられる方法
贈り物で格好良く女性を喜ばせることのできる男性のセンスは全く理解出来ない。
ましてやサプライズで喜ばせるなんて無理。
職場で、あるいは社会人として見せるべき気遣いはどちらかといえばできる方だと思ってる。
実際、空気読めないと言われたことは皆無だし、全体を見ながら何をなすべきかをやっていると評価されるしそういうのは得意だ。
でもそういう気遣いと女性を喜ばせる気遣いはやっばり根本的に違うのだろうか。
今の妻と付き合い出してからいろいろプレゼントをする機会があったけど、ダメ出しを食らうこと数知れず。
ある時は「無理しなくていいよ。」と屈辱のねぎらいの言葉をいただいたり。。
まあ、実際に間違って仏花をプレゼントした実績もあるぐらいだからその気の利かなさ、というかイケてなさは神レベルに近いことも今は自覚している。
数々のおとぼけ伝説を生み出してきた妻のことをバカにはできない。
なんでこんな通用しないのか。
仕事のそれと何が違うのか考えてみた。
「事」と「感」
仕事の時何に気をつけているのか、それはきっと」こういうことをした方がいい」、「これをした方が全体がうまく行く」、という「事」あるいは「行動」だ。
一方、贈り物の時の最大のターゲットは相手の喜び、つまり「気持ち」や「感情」なのだ。
それに対するセンスが決定的に欠けてるんだろう。
新たな試練
そんな僕にもまた試練の時はやってくる。
昨日は妻の誕生日だった。
週末ランチはしたけど、家族恒例のケーキでお祝いはしてない。
いつもなら妻が張り切って手作りケーキを作るけど、今回は自分のため、しかも最近落ちこみ気味でどうも調子が出ない。
だから今回はケーキを買うことにした。
それだけいえばそれなりに妻を気遣うセンスありと思われるかもしれないけど、実はすでに痛い洗礼を浴びていた。
土曜日、買い物ついでに「ケーキ買ってく?」と言うと、妻は「えっ?!」と冷ややかな目を返してした。
なんで?!
どこがあかんの?
その時は全くわからなかった。
でも次の日妻が「やっぱりお祝いはホールケーキが、」とボソッと一言。
そうか、その日は駅ビルのケーキ屋さんの並びで軽く買おうとしてた、しかも適当にピースで。
そのイケてなさがあまりに痛々しかったのだろう。
気づいてなかった、お祝いの意味を。。
また反省。
そして当日の昨日、朝疲れ気味だった妻のことを考え、出勤後に思い立って「ケーキ買ってくよ。」と連絡。
しかし当日。
これが仕事ならもっと段取り良く決めてテキパキ準備するのに、プレゼントとかになるととたんに優柔不断、行き当たりバッタリになる。。
もう救いようがないね。
自分の努力を褒めたい
でもそうと決めたら夜百貨店に寄って売り切れとかなってたら目も当てられないしさっそくお店に電話。
妻の好物はとにかくマロン、マロンなら大丈夫だろうと馬鹿の一つ覚えみたいにマロン系を売ってるところを探して、無事モンブランを予約。
ろうそくとプレートも確認してバッチリとほくそ笑んでた。
しかしいざ高島屋に言ってみると予想外の出来事が。
「小さい。。」
一応5人前ぐらいの5号サイズのホールケーキのはずだった。
だけどモンブランというだけあって、普通の円柱形のホールケーキと違って山型になってるので小さく見える。
しかも上に栗がちょこんと乗ってるだけの全面茶色のケーキで超地味。。
しまった〜、モンブランだとこうなるのか。
ショーケースにある色とりどりの鮮やかなフルーツたっぷりのケーキを恨めしそうに見ながらも、「予約してしまったし」と、内心泣きながら受け取った。
しかもプレートは予想に反して紙製。
甘い、甘かった。
とたんにどう言い訳しようかと考え始める。
今思うとこの時点でアウトだった。プレゼントする相手にネタばらしして、しかも何を守りたいのか言い訳を考え始めてる自体終わってる。
でも昨日はそこから頑張った。
トボトボと歩いていたけど、どこからか「言い訳考える前にもっとやれることあるんじゃないの?」、と全力を尽くせと言わんばかりの天の声が聞こえた気がした。
その瞬間、「ダーン、タ〜ラ〜ラ〜ラ〜」と、ダウンしかけてたロッキーが立ち上がって途端に反撃し始める、その時のテーマソングが流れてきた(感じがした)。(世代が違う人はこの感覚が全く理解出来ないだろうけど)
あきらめるな!
ケーキ屋さんになければ直接買えばいい。
妻がよく行く製菓材料店といえば、富沢商店。
調べてみたら京王百貨店にある。
時間は20時前、まだ間に合う!
がんばる中年、新宿界隈を走って京王へ。
あった!
チョコレートのプレート。
文字入れ用のホワイトチョコも。
でも今日はそれだけじゃない。
とにかく地味なモンブランを鮮やかにしたい。
食べられる金箔と年齢に合わせた数字のロウソク、ついでにミッフィーロウソクも買った。
これらの費用だけでもうワンランク上のケーキを買えたような気もするけど、まあいい。
昔だった、こんなのにお金費やす意味あるの?!と平気で言いかねない俺だった。
進歩、進歩。
やり切った、今日はやったよ。
でもその時の気待ちは、実を言うと、言い訳したくない、よくやったと妻に褒められたい、という一心だった。
はたして喜ばせたいのか喜ばせて欲しいのか、もはや主従がわからないけど、まあいい。。
そして、、
出た!妻の笑顔!
その表情には憐みも皮肉もない、(と思う)。
無事褒められた!
褒められるということは喜んでもらえたということなんだろう。
良かった、本当に良かった。
「女性をを喜ばせたければ、言い訳せず努力しろ。」
センス溢れる素敵な男性からすれば、あまりに低レベルな格言だけど、やったよ俺は!