アラフォー父ちゃん

仕事、家庭、育児、人生、惑いまくりの名もなき団塊ジュニアのつぶやき

先生が自分の子供を優先して休むことを悪だという大人が理解できない

久しぶりに鬱々とする。

 
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ここ数日、巷で話題になってる、「息子さんが高校入学するので、入学式に休みを取った高校教師に対する世間の反応」
 
さっそく始まった、第三者的な「けしからん」の声。
 
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もうそういうのやめませんかねえ。
情けないと思わない?
 
そりゃ嘘ついたとか不正した疑いがあるならわからんでもないけど、これってそういう話?
 
結局みんなはどういうつもりで教育や子育てのことを考えてるのか、それが本当に正しいと思ってるのかといぶかしく見てしまう。

 

1.教師は聖職者じゃない。
今年うちの息子の担任になった先生も、お子さんは小学生。
周りの友人でも、教師として頑張ってたり、親が教師だったって人はいる。
 
でも違いといえば職業が何かということぐらい。
 
見方を変えれば先生だってサラリーマンだし、しんどい時もあれば休みたい時もある。
 
何より自分の人生がある。
 
聖職者っていう響きは酷い。
 
尊い仕事をしてる、という評価が、ともすれば尊い仕事に就く人は自己犠牲的であるべき、という風潮にすり替えられる。
 
聖職者的に見られる、あるいは公に仕える職業はいくつかあるけど、例えば目の前に死にそうな患者がいて、それでも勤務時間は終わりだから帰るかといえば、きっとそれはないだろう。
でも、そもそも非番になってる人が、火事にかけつけなかった、患者に対応しなかった、犯人を捕まえに行かなかった、としても避難されたことは聞いたことがない。
 
今回の先生も、きっと正当な手続きを踏んで、正当な権利を行使して休みを取ったはず。
そして、組織に勤める責任ある人なら、その前後のフォローや不在時の引き継ぎなどしっかりやってるはず。
 
生じうるインパクトも考えた上で決断してるはずで、悪影響を最小化しようとするはず。
 
普通の社会人なら。
 
それで何が不十分なんだろう。
 
世の人は、聖職者と呼ばれる、あるいは世のために尽くすことが期待される職業に過度な幻想と押し付けをしてないか。
 
2.組織の問題を個人に押し付けるな
もし今回の騒動で、その先生個人が何らかの処罰を受けるとしたら本当にやるせない。
 
どこの組織だって、組織に勤める人が気持ち良く働けるように制度を構築してる。
 
それは憲法にも定められた労働者の権利なはず。
仕事のために、自分の人生を犠牲にしていいなんて、どこにも書いてない。

そしてそういう個々人の負担や犠牲に寄らないで済むように組織があり、労働環境が整備されてるはず。
 
担任がその日不在なことを事前に分かった上で、その対応ぶりも考えてたはず。
 
だって、普通の会社でも重要な会議やお客との交渉があっても、もろもろの理由で担当がいないことは絶対あるはず。

そんな時は他の担当や上司等が組織としてカバーするだろうし、それが担保される限りは、顧客はけしからん!と怒鳴ることも普通ない。
 
だから頼むから、今回の騒動で先生個人に謝罪させることはしてほしくない。
 
先生になろうと志を持ってる人の思いも一緒にへし折るよ。
 
3.生徒たちは僕らを見てる
結局僕らはどんな顔して、教育を語るの?
 
僕らは子供達にどういう人になって欲しいのか。
 
どんな親でも我が子が大事なら立派で幸せな大人になって欲しいと願うはず。

きっとそれは、ある価値観を振りかざして他人に対して容赦無く罵声を浴びせるような人ではないはず。
そして、ある事象をきっかけにここぞといじめの加害者になるような人でもない。

今回の騒動で、もし大人たちが、あるいは世間の意見がそういう流れになったら、子供達はどう思うだろう。立派な大人ってなんだろう。
 
僕らがどう振る舞うか、大人、社会人、親としての器量が問われてると思う。

4.最後に
今日の意見はあくまでも僕個人の価値観であって、人によっては違う意見もあると思う。だからこれが万人にとって正しいと言うつもりはない。
 
それに当の先生が、ちゃんと信頼に足る振る舞いと手続き、成果を収めてる人であって、ある理由があってその選択肢をとっただけだろうという前提のもと書いてるし、どんな場合でもどんな先生でも一律休みを認めるべき、というつもりもない。
 
とにかく言いたいこと。
 
それは、こういう価値観がメディアや大人たちの容赦ない声で、どっちが正義だと決めつけてしまってほしくないこと。
 
またその中で僕ら一人一人の大人が冷静に、それこそ大人として振舞って欲しい、ということ。
 
自分への自戒も込めて、僕らの人間性が問われてる話だと思うよ、ほんと。

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