なぜ男は親しい女ほどその感情に寄り添えなくなるんだろう
あー、ほんと感情ってやっかいやわ。
しかも伝染するからタチが悪い。
さらに言うと、ネガティブな時の方が共鳴しやすいんじゃないかなあ。
今回もきっかけは妻だ。
3歳になった末娘はとにかくやっかい。
よく3人目の子育ては、それまで経験も積んでるし、コツもわかってて楽なんじゃない、と言われる。
実際僕らもそう思ってた。
でもいざ生まれてみるとそんな淡い期待は見事に打ち砕かれてしまった。
末娘は典型的なワガママ娘。
気分の浮き沈みも激しくて、自分の要望が通らないと泣くわわめくわ、その根性はハンパない。
とにかく上2人には通じてた子育てが通じない。
初めてと同じぐらい、いやそれ以上に試行錯誤し、毎日振り回されてる。
まあ冷静に考えれば、同じ子じゃないから当たり前なんだけど、毎日振り回され悩まされる妻にとっては相当な重みだ。
ここ1年は魔の二歳だったこともあって、毎日相手をする妻は大変だった。
そのうち、迷惑をかけるのが嫌、いやむしろ迷惑をかけるかもしれないとピリピリし続けることが嫌で、どんどん出不精になっていった。
そうすると気分も晴れないし、挙げ句の果てに「この子はもしかすると何か問題や病気を抱えてるんじゃないか」と考え出す羽目に。
そして悪いことに現代には発達障害という、昔なら個性や発育の差の範囲と思われていた部分に一定の価値尺度が生まれている。
どうしても気になるというので、現状を客観的に見てもらえること、そしてカウンセラーにいろいろ相談できるということで、市がやってるサービスに申し込んだ。
そのテストの結果が一昨日返ってきた。
K式発達検査と呼ばれるもので、いろんなテストを子供にして、運動・姿勢、認知・適応、言語・社会の三つの観点から、その子の月齢の平均値に対してどれほど乖離があるかを見るものだ。
そして我が娘の結果は、問題なし、グレーゾーン、やや発育に問題あり、問題ありの4つのうちグレーゾーン。
といってもほぼ問題なしの下限に近いグレーゾーンなので、学校の偏差値的に言うと49ってところだ。
でもこの数値が出るということのインパクトは思いのほか大きい。
特に感情人間の妻みたいな女性にとっては。
3歳になって、「落ち着いてきたね」と言うことが最近多かった矢先のこの結果に、妻の中では思い切り逆に触れてまた不安モードマックスになってしまったようだ。
もちろん、男の僕、そしていつも冷静な僕としてはいろいろ励ます。
「まあほとんど普通ということか」、「テストの結果だからその対策したら必然的に点数あがるようなもんだね、実際ブログみると、子供のこの点数を上げることが喜びになってる人もいるみたいよ」、「今この時点の個性や発育の差に過ぎないんじゃない」とかかんとか。
でもそんな僕に対して、「私ずっと泣いてたのよ」、「カウンセラーにこの結果を見た旦那さんがどんな反応を見せたかも今度教えてくださいって言ってたのよ」、とあたかも僕が子育ての辛さを妻に押し付けてばかりの非協力的な旦那扱いの敵意むき出しの目で見てくる。
えぇ〜っ、こんな子供おもい、妻おもいの僕なのに〜。。
別にけんかから始まったわけじゃないんだけどなあ。
なんかこういう時ってほんと気まずい。
どれだけ僕が正しいこと、励ましの言葉を投げかけても、妻は決してその通り受け取ってくれない。
そりゃわかるよ、親子だってそうだし、親しい人こそそのアドバイスを素直に受け止められないってことばかりなことは。
そして僕が投げかけた言葉を活字にすると、確かにいけてない反応かなと思わないでもない、僕自身の性格がこういう時に関係をさらにややこしくさせることも分からんでもない。
でもなんでだろうなあ、他人の言葉だったらすっと沁みる言葉だとしても、どうして身近な人だと、感情のフィルターが邪魔して素直に届かないんだろう。
黙ってたら黙ってたで怒るし、もう15年以上付き合ってるのに未だに対処方法がわからない。
翌朝もなんとなくそのショックを引きずってる妻は、穴が空いてしぼんでしまった風船のよう。
調子いい時はパンパンになってるのに。
穴が空いてる場所はわかってるのにそれを塞ぐものを持ってなくて、ひたすら空気を入れようとしてる感じだ。
親しい人ほど、困難にあってる時にそれを和らげられるような手を差し伸べられない。
そんな状況に無力感を感じてしまう。
旦那ってつらいなあ。
もうすぐ家だ。
どんな表情で迎えてくれるんだろう、今日はどんな気分で末娘と過ごしてたんだろう。
思いやりをもって傾聴せねば。
と思って気合入れて帰ったらだいたい寝てるねんけどね。