息子の成長に思う、「自己肯定感を植え付ける」ことへの絶望感
9月1日。
長い夏休みが終わって二学期がスタートした。
御多分に洩れず、うちの子達もテンション低めに登校していった。
無理もない。
大人だって毎週日曜日にサザエさん症候群になる。
ましてや一ヶ月以上もの休みの後のギャップははてしなく大きい。
でも大丈夫、すぐに学校での生活、友達との生活が日常に戻るから。
さて、昨日に続きまた息子の話をひとつ。
息子は4年生。
なかなか気の利くいい奴で、友達からも慕われてるようだ。
周りの人たち、そこで何が起こってるのかを見る感性は人一倍強い。
でもその長所の根底に流れるものも知ってはいる。どうしても親は心配したがりだ。
3月の早生まれ、昔から周りの子よりも小さかった。いや、今でもそう。
しかも、小学生にとっては大事な価値基準になる運動神経は、早生まれのハンディを差し引いたとしてもお世辞にも良いとは言えない。
ボール扱いも下手、走るのも遅い。
唯一の救いはバランス感覚が良いぐらいか。
そんな境遇で長年(といってもまだ10年足らずだけど)やってきたからか、自分なりの処世術を身につけた。
でもそれは親としては正直複雑な気持ちになるやり方だ。
昨日書いたように、男の子、特に息子にとって友達はとても大切。しかも、気に入られるよう、バカにされたりしないよう、常に気を遣っている。
そんな息子が友達の前で、自分が不得意なことをやる時、決まってふざける。
よくわかる。
真剣にやってもうまくいかなくて恥ずかしいから、あえてふざけて、うまくできないふりをしてごまかすのだ。
それ、たぶん、そのうち、友達にも気づかれるよ。。
そう思いながらもつい不憫になり、指摘できない。
だって、自分ができないことを、恥ずかしさと自尊心の狭間で自分なりに処理しながら乗り切ろうと編み出した彼なりの振る舞いだから。
もうすぐ思春期にさしかかる。
誰しもが通るコンプレックスの塊時代。
きっと息子も悩みや劣等感を内に秘めながら過ごすのだろう。
そんな時、親としては何ができるんだろうか。
「自己肯定感を育む」
疑いの余地はないし、僕自身、それを大事にしてやってきた。
自己肯定感の高い子に育てる5つの方法、というのがある。
1.どんなときも「あなたの味方」と伝える。
2.小さな成功体験を積ませ、褒めてあげる。
3.頑張りを認めてあげる。
4.子供の話を真剣に聞いてあげる。
5.感謝を伝える魔法の言葉「ありがとう」
どれも納得。
でもそううまくはいかないのよ。
特に思春期にさしかかる子供には。
子供だって、だんだん親がどういう気持ちで、あるいはどういう魂胆で発言しているのか、そのウラを読み取る力が身についてきてる。
だから、言葉や見え透いた行動では意味がない、というかむしろ逆効果ですらある。
しかも、毎日宿題や習い事、子供達にとってのタスクも多く、計画的にやるのが良いことが目に見えてるだけに、ついグズグズしてたりすると、叱ることの方が多い。
大人になった僕たちでさえ、感情に任せたり、気分が乗らずにダラダラしてしまう時があるのに。
なんで、子供を信じてやれないんだろう。
いつから、仏の顔をしながら褒めて育てることができなくなったんだろう。
しかも、自分のことは棚に上げて、叱ってばかり。
嫌な大人だよなあ、本当に。
これからますます複雑な関係になるんだろうし、会話も接点も減るかもしれない。
ここからは親のできることってどんどん限られてくる。
子供達が自分で乗り越えるしかないことが圧倒的に増えるだろう。
それでも親ができることってなんだろう。
正直うまい工夫もテクニックも思いつかない。
息子のことが好き。ずっと好き。
息子の言動に本当に感動した時、その時には心からそのことを伝える。
今はそれぐらいしか思いつかない。
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